高知からの報告
原発さよなら四国ネットワークニュースに投稿した文章を掲載します。
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高知からの報告
高知県民は、1988年 窪川原発を阻止、2006年 津野町、2007年 東洋町への高レベル放射性廃棄物最終処分場を阻止し、土佐人の「いかんもんは いかなあや!」と筋を通す「いごっそう」根性で抵抗運動の経験を重ねてきました。
3.11に先立つ2010年度、高知県は「緑の分権改革」推進事業に着手、飯田哲也さんらを推進委員として2011年5月「高知県新エネルギービジョン」を策定。2011年度から新しく新エネルギー推進課を設置、同課を中心に「高知県新エネルギー導入促進協議会」が7月発足。「高知小水力利用推進協議会」や「グリーン市民ネットワーク高知」も参加、官民恊働で地域活性化をめざす自然エネルギー推進事業が実質的に始まっています。
また、尾崎知事は3.11を受け4月28日、「原子力から脱却する方向を国全体でめざすべき」との考えを示しました。ただ「いきなり稼働している原発を全部停止するのは現実的でない」とすっきりしない発言でしたが、大きな方向性を共有できる知事だといえます。
一方、高知県も静岡県などと同じく遠洋漁業拠点なので、広島、長崎に次ぐ第三の被爆県でもあります。1954年のビキニ環礁での水爆実験当時、第五福竜丸ばかりか、多くのマグロ漁船が近海で操業しており、被爆しています。長く調査と支援をしてきた高知県太平洋核実験被災支援センターの山下正寿さんによると、最近の室戸市の調査では47人中60%以上の元乗組員ががんで死亡したと分かったそうです。
この1954年には放射能汚染マグロの衝撃から、原水爆禁止運動が巻き起こりましたが、これを潰すかのように米国アイゼンハワー大統領が国連で「原子力の平和利用」演説、ろくに討議もせず、日本初の原子力予算が国会を通過しています。
対米隷属の政治と経済を今こそ、断ち切りたいものですね。(文責:外京)
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